優しくしないで
第21章 宝物
公園から…そのまま手を繋ぎ…
仁さんと話をしながら…家についた…
「…もう着いた…あの公園からここは近いね…」
『……そうですか?』
へへへっと笑う仁さんは…キュッと繋ぐ手に力を込めた…
私も……近いと感じたけど…
照れ臭くて…恥ずかしくて…
言えなかった…
まだ……繋いでいたい…
この手…
「じぁ…また…」
仁さんの手が…スルリと…
離れる…
……あれ?
イタいな…………
胸のズ―――――っと奥が…
不思議……
『…仁さん…』
「ん?何?」
『……なんでもないです…』
仁さんは……ニッコリ笑って…
「じゅぁね…」
と…背を向け歩きだした…
私は……何を…
言いたかったんだろう…
ああ…また…胸の奥が…
チクリと…イタい…