優しくしないで
第22章 雪の降る日は…
「……はい、出来た。
ショートカットも可愛い…似合うよ。
太一君にも…見せたいね…」
『……仁さん…』
顔をあげると…
鏡に…映る…
涙でぐちゃぐちゃな顔の私…
その後ろで…肩に手を置き…微笑む仁さんがいた…
「…留美ちゃんの中に…太一君への罪の意識…罪悪感があるのは…百も承知だよ。
そんな罪も罰も…罪悪感も…太一君の存在も…
全部含めて……留美ちゃんが…好き…なんだ。」
『…でも…』
「太一君の存在が留美ちゃんの気持ちを独占してても…
振り向いてもらえなくても…
…俺は…留美ちゃんが…
好き……なんだ……
見返りなんて要らない…
俺も…こんな気持ち…
こんな恋……はじめてで…
止めたくても…
止まらないんだよ……」
…仁さんは…
私のは椅子を…クルリと回転させ…
見つめていた…
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