優しくしないで
第3章 時は止まる
毛先に自分の惨めさを重ね…
虚しくなったが…
鏡越しに見る、
仁さんの姿に…
少し心が落ち着いた
「はい、高校生ちゃん!
出来たよ!」
『えっはい!』
髪は数センチしか切っていないが
切る前とは全然違う事は解った
「このままいい?店長に見せないと」
そう言うと、仁さんは店長を呼びに行った
『すごいな…』
『あら…毛先だけでも、いい感じじゃない?
綺麗に揃ってるし…
中のほう少し軽くしたのね?うん…長さを変えないで軽さを出す所はいいアイディアだわ…
ん!仁は明日からカットにまわって。
モデルさん、ありがとう。
サービスにシャンプーとトリートメントするから。
仁!!!よろしく』
「はい!」
仁さんはニコニコして喜んでいた。
軽さを出したんだ…
言われて見れば…
違うと思ったのはそこだ…
「高校生ちゃん、俺がシャンプーとトリートメントするから!こっちおいで」
椅子を回転させシャンプーだいに通された