優しくしないで
第26章 喝采…
紅茶が運ばれてきて…
奏さんは…暖かい紅茶を一口飲むと…
ふ〜…っと、息を吐き出した…
『…昨日…会った時の仁の顔…酷かった…
まだ…私の事で…悩んでるって顔だった…
傷を見る目が……
辛そうで………まだ、会いに行ってはダメだったのかな?って
でも、あなたを気にかける顔は…優しくて…
ちょっと、嫌な気分になったわ…』
奏さんは…悪戯っ子ぽく、首をかしげた…
『え…仁さんが…?』
『ええ、
一瞬で、“ああ、仁はこの子を大事にしてる”って思ったわ…』
私は、昨日の事を思い出し…顔が赤くなった…
『あなたも、同じ気持ちなのよね?
仁の過去…聞いて…そんな顔出来ないもの…
仁の中に…私が…どんな形であっても居続けてる…
そんな…気持ちも…含めて…仁を好きなのよね……』