テキストサイズ

優しくしないで

第26章 喝采…


仁さんは…パンフレットを開き…奏さんのプロフィールを見ていた…



時折…眉間にシワが入ったが…



仁さんの手に手を沿え…





“大丈夫…”と、心の中でつぶやく…





すると……仁さんの目は…
“ありがとう…”と答える…







会場が…暗くなり――――…





ステージの緞帳が開く…







ステージ上のピアノを…

スポットライトがふわぁ〜っと浮かび上がらせる…





ステージに一台のピアノ…





ピアノ一台で…


こんなに存在感を与えられたのは初めてで……




緊張が……伝わる……







シ―――――――ンと…



演奏者を待つ…観客…










カツ――――――ッン!!!





一人の女性が…袖口から現れた




わぁ!!!パチパチパチパチ…







「…奏………」




ステージには…黒いピアノの隣に倫と立つ…奏さん…


真っ赤なドレス…背中の大きく開いたドレス…



右耳には、デコレーション多めの補聴器が客席のみなさんを驚かせていた…



パンフレットにも…耳の不十なピアニスト…として…表紙にデコレーションされた補聴器が写っていた…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ