優しくしないで
第27章 繋いだ手
『………奏…』
扉を開け……招き入れる奏さん…
私は……戸惑ってしまった…
二人の…間に…
二人の…空気に…
私は…堪えられるかな…
自信がなかった…
『…留美ちゃん…入って…』
入口で…ためらう私の手を…そっと取り…
中へ…招く…
『…奏さん…』
『ありがとう…留美ちゃん…
仁を連れてきてくれて…』
奏さんは…ステージ衣装のまま…私を抱きしめた…
『!!!奏さん?』
『…最初に…二人を見て…
嬉しかった…』
奏さんは…
本当に……うれしそうだった…
『…仁も…来てくれて…ありがとう…
……仁には…聞いて欲しかったから…
私……頑張ったでしょ?』
『ああ…奏…
凄かった…感動したよ…』
二人は見つめ合い…
微笑んだ…
ズキン…
嫉妬の…針…
また胸をチクチクと刺す…
グッ――――…
『…仁さん…?』
不意に…仁さんは…私の手を掴み…
指を絡め…恋人繋ぎをしだした…
『えっ/////えっ?』
「…奏………
お前は今…幸せ…なんだな…」
奏さんは…コクンと頷き…微笑む…
『凄く…幸せ…』