テキストサイズ

優しくしないで

第27章 繋いだ手



「だよな…

ピアノを弾く奏は…やっぱり輝いていたし…


幸せそうだった…




奏……あの時…






逃げて…お前を救えなくて…



ごめんな…」






ギュッ……仁さんの手に…力が入った…






『……仁…



あの時……無責任な事…


言って…ごめん……』







ズキン…







「……でも、俺の選択は…奏を実際に傷つけた……


その左手首の傷は…


俺の罪として…………一生…背負うつもりだ…



だが……奏のそばで罪を償う事は…





しない……




この子…留美ちゃんと…





一緒に…居たいから…」












『…仁…さ…ん…』





ドキン…ドキン…






「奏……俺は…



俺は今……留美ちゃんの隣で…


留美ちゃんを……


支え…助け…愛したい……


奏……俺は…留美ちゃんを愛したい…」





繋がれた手が…熱い…



嬉しさと…緊張とで…





熱い――――――…








ストーリーメニュー

TOPTOPへ