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優しくしないで

第28章 歩こう…

―――――――――…


―――…




仁さんの部屋は……



暗くて……寒い―――…





エアコンの暖房が効くまで……



まだまだ…時間はかかる…




でも……




繋いだ手が…熱くて…



頬を包む手も…熱くて……



「留美ちゃん……」



囁かれる…私の名前も……


耳から…脳を……熱くする…









「……キスして……いい?」




あの時…初めて仁さんの部屋に入って…

こんな状況になり……


言われた台詞……







『…えっと……』




仁さんは…微笑んで…



「“キスは…ちょっと…”って…言わないでね…」




頬を包んでいた指が…スッと動き…


仁さんの親指が…唇に触れた…



『////…』



親指の腹が…私の唇をプクっと押すと……

仁さんは…その親指の腹にチュッとキスをした…




「……前は…これで我慢出来たんだけどね…



最近は…無理だ…



留美ちゃんを―――――…

抱きしめたい…




留美ちゃんと――――キスしたい…




留美ちゃんと―――――…



一つに…なりたい―――…」






親指に―――――キスをしながら…



私を見つめる…


絡めた指を…キュッと握る…


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