優しくしないで
第28章 歩こう…
『…仁…さん…
私――――――……私……』
ドキドキが―――…
こんなに……苦しいくらい…
ドキドキした事…ない…
『……仁さんと…
一つに――――なりたい…
でも―――――…
不安で――――……』
目の前の仁さんの顔に…
霧がかかり…揺れる――――…
いや…………
私は……
求めているのに……
怖くて――――――…
泣いている…
太一の愛してくれた―――…
体――――…
太一だけしか…
記憶していない体……
仁さんを……求めているのに……
『………じ…』
仁さんの唇が…
まぶたに優しく……触れる…
そして――――指を絡め…
私を…胸に引き寄せた……
「……俺も…不安…」