私はあなたを許さない
第15章 「黙ってるつもりだった」
希「携帯、鳴ってるよ」
光明「…うんっ」
希「…」
名残惜しそうに
希から離れ携帯を開いた光明
てっきり学校からの連絡と思われたが
待受に表示されていたのは意外な人物か
らだった
光明「…!?」
希「先生?」
光明「…ちょっとごめん」
希「…」
大事な用事なのか
携帯を手に隣の部屋へ移動した光明
その間も携帯は引っ切りなしに鳴り続け
よっぽど急ぎの用件と
思われた
光明「…もしもし」
知哉『遅い、早く出ろよ!!』
光明「ごめん…ちょっと立て込んでて…
何か用事だった?」
知哉『用事がないのに電話するわけない
だろう、俺だって普通に忙しいの』
光明「そうだよね、ごめん」
知哉『…光明』
光明「何」
兄、知哉からの突然の電話
どうせ用事と言っても父や母の事だろう
と、あまり深くは考えなかった光明
しかし…
知哉「お前の過去がバレた」
光明「!?」