私はあなたを許さない
第4章 「お金貸してよ」
男「すいません」
希「…」
狭い店内
男は希にぶつかりながら
軽く頭を下げ店から出て行った
この時、男は希の胸ポケットから気づか
れないよう
お金を掏っていた
10万円
全額
希「…あれっ」
掏られた事
気づいた時には
男はもう逃げ出した後で
急いで男の後を追いかけたが遅かった
最悪だった
希自身、まだ1円も使っていないのに
希「…最悪」
しかし
最悪なのはこれからだった…
希「延長料金!?」
店員「はい、お客様はまだ払われていな
いようなので…」
希「…あぁ」
うっかりしていた
いつもは入店と同時に払うのだが
今日はまだ数時間分の料金しか払ってい
ない
このまま居続けるなら
その分の延長料金を払わなければいけな
いのだが…
店員「ありがとうございました」
希「…」