私はあなたを許さない
第28章 「私、この家には嫁ぎませんから」
初美「今は他に…他にやるべき事がある
んじゃない?例えば…勉強とか」
希「…だけど」
初美「先生に会いたいって気持ちはわか
る、だけど今は受験に専念するべきだよ
先生の為にも…」
希「…」
初美の言葉は厳しかった
初美だって希の気持ちは十分わかる
でも今は初美の言うように勉強に受験に
専念するべきだった
予備校に通わず家庭教師も雇わず
独学で勉強していた希
受験本番まで
まだ時間はあったが
だからって余裕があるわけではない
正直、余裕なんて
余裕なんて全然なかった…
希「…」
初美「ごめんね、希の気持ちはわかるし
私も協力したいけど…」
希「…ううん、そうだよね」
初美「…」
希「初美の言う通りだよ、先生の為にも
今は…受験に専念しなきゃ…」
初美「…そうだね」
希「…」