私はあなたを許さない
第28章 「私、この家には嫁ぎませんから」
希「それで一つ、お願いがあるんですけ
ど」
知哉「何?」
希「先生に手紙を書いたんです、それを
先生に渡してもらえますか?」
知哉「お安いご用だよ」
希「…ありがとうございます」
光明へ書いた手紙
伝えたい事、言いたい事
今の自分の正直な気持ちを書いた手紙
一発本番で
書き直す時間もなく
ちゃんと書けてるか不安だったが
その手紙を知哉に渡し希はマンションへ
帰った
知哉「…」
希と別れた知哉は
希からの手紙を内ポケットにしまい
病院へ急いで向かった
病室の前には
相変わらず警備員が立っていたが
家族、兄である知哉は止められる事なく
病室へすんなり入れた
光明「…!?」
知哉「具合はどうだ?」
光明「…大…丈夫」
意識は戻ったが
体はまだ思うようには動かず
言葉を発するのにも、まだ少し時間がか
かった
だけど確実に
光明の容態は良くなっていた
知哉「今日は光明が喜ぶ物、持ってきた
ぞ」
光明「喜ぶ…物?」