私はあなたを許さない
第28章 「私、この家には嫁ぎませんから」
時刻は8時
あれから1時間が経過していた
だけど彼女が帰って来る気配はなかった
新米だから
残業しているのか…
光明「…駅まで行こう」
このままここで
マンションの前で待とうと思ったが
彼女に早く会いたくて光明は駅へ向かっ
た
途中、何度か
タクシーを見かけたが
予約やお客さんが乗っていたりして
体力的に大変だったが自力で向かうしか
なかった
光明「はぁはぁ…」
どうにかこうにか
駅まで来る事が出来た光明
だけど
時間的に帰宅ラッシュだったのか
サラリーマンやOLさん、高校生など
大勢の人が
行き交っていた
光明「…」
邪魔にならないよう
壁際に立ち希を探す光明
あれ以来、一度も会っていないし姿も見
ていない
彼女が目の前を通っても
その人が彼女だとわかるか不安だった
光明「兄貴に写真撮ってきてもらうんだ
った…」