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secretroom~秘密のひととき~

第2章 憂×S

あの日は確か、私の誕生日だった。
しかし欲に狂っている彼にはそんなこと、どうだっていい。
私にとっての特別な時間は、あっけなく過ぎた。
そして、帰る頃にはもう日付が変わっていた。 
東京も中心地を離れると、急に人が少なくなる。シャッターの降りた街のなかを一人で歩く。
「みじめだなぁ…」
自然と涙がこぼれる…
別れたい…しかし父がそれを許してくれる訳がない…
自分の人生に嫌気がさした。
道の真ん中に座り込む。
“死のう…”
そう決意した、その時だった、















「大丈夫ですか?」

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