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甘い毒は変態を刺す

第2章 浅い、深い関係



ドロリとした熱い液体を躊躇うことなく喉に流す。

「飲まなくても良かったのに…」

そう言った割りには頬が緩んでいるようにも見える。
単純に呆れているだけかもしれないが。


「今日はここまででいいかな…」

矢吹くんの言葉で気づいたが、薄暗い程度だった学校はすっかり暗闇へと変わっていた。

「ご、ごめん!俺、全然…気づかなかった…」


慌てて矢吹くんの身なりを整えると表情までは読み取れなかったが、心地の良い笑い声がした。


「鈴原くん」

「ん?」

「僕にして欲しいこと、ある?」


きっと矢吹くんは俺がして欲しいことがあることを分かって言っている。

ずるい。

「気持ち良くしてくれたお礼」

その言葉に甘えて、この暗闇にも甘んじて、ついお願い事をしてしまった。

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