テキストサイズ

ふたりのち晴れ

第6章 巧―晩飯





もぐもぐ…

楠『おいしー!』

母『おいしー!だってぇ!!たく、早く録音して!』

巧『心配しなくたって、友達だからまた来るし』

楠『…!!ともっ…ゴホッゴホッ』

なんでこいつむせてるんだ。

母『理央くんがたくの友達!?なんなら毎日のように通っていいのよー♪』


楠『…!!ともっ…ゴホッゴホッ』

お前 それで何回むせるつもりだ。

楠木が嬉しそうな顔して口がにやけてる。端からみたら、変質者みたいだぞ。

母『理央くんはこのへんに住んでたの?』

楠『いぇ、もともと仕事が行きやすいように、東京に住んでたんですけど祖父が体調をくずしているので母は田舎へ帰り、東京で一人は危ないから違う所で住みなさいって言われて…。』

母『で、ここに来たと…。…って え!?一人暮らしなう!?』

楠『…はい』

母『危ないわよっ!高校生というのもあるけど…理央くんよ!?どんな女が襲ってくるか分からないわ!』

おまえみたいな女のことか。

母『うちに住みましょう』








『『ぶはっ』』

俺たちは同時に
口の中にあった晩飯をとばしてしまった…


なに 言ってんだ。このばあさん。 まず楠木の親の了承がないじゃねぇか

楠『親に聞いてもいいですか?』

えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ


住む気まんまんじゃん。


楠木は、ニコニコしながら、楽しみーと言ってる。

まだ決まってないだろ。
すかさず楠木が電話する。
プルルプルルプル…ガチャッ

楠『あっ…もしもし、お母さん?あのね、うんたらかんたら…なんだ?いい?…………うん!!分かった!じゃあね』




母『どうだった?』

楠『お願いしますだって!』

母『よかったわねー』


俺は全然よくない。

…でも なぜか少し嬉しい。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ