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ふたりのち晴れ

第12章 巧―テスト勉強





俺と楠木の関係は変わっていない。

楠木は相変わらず友達大好き少年だ。


俺の気持ちを楠木は知らない。

この関係がちょうどいいかもしれない。





そんな感じで俺たちの生活に変わりない。



…話は変わってしまうが


俺たちの高校ではもうすぐテストがある。


そして………
楠木の点数をあげるため、今とっても忙しい。

正直あいつは頭が悪い。下から数えた方が断然はやい。


そんな あいつがある日…


楠『巧くん!』

巧『ん?』

楠『毎日勉強教えてください!僕すぐに心境とか変わってやりたくない!とかいいだすかもだけど、無理やりやらせてください!』


巧『ん。わかった。』




それから毎日
学校からすぐ家に帰り、勉強をはじめる。


…が、

巧『…ここで、こうだから……………ってお前話聞いてんのか?』


楠『………………ない。』


巧『ん?』

楠『…わかんないっ』


俺はため息をつき
再び話し始める。

巧『だから、ここでこうだろ…で、ここでさっき言ったやつをやれば…』


楠『できないよー』

巧『やってないのに、言うな』

楠『やりたくないよー』

巧『お前がやるって言ったんだぞ?頑張ろ?』


楠『……もうできないっ』

そういってじゅうたんの上に寝転がる。



巧『……………はぁ、もう知らね』

俺は、
カッとなって楠木をほったらかしにして自分の部屋へともどった。




楠『…ちょ、巧くん!ごめんなさいっ』

俺は聞こえないふりをして
自分の部屋へと向かう。





あいつがやろうって言ったのに。
どんだけだらけても無理やりやらせろって言ったのに。

俺は呆れた。




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