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ふたりのち晴れ

第25章 忙しそ…



―PM8時―





ガチャ。。


楠『ただいまぁ!』


母『おかえりー!お疲れ様ー!』





楠木が帰ってきたみたいだ。





急いで2階にあがってくる音が聞こえる。





ドドドド。。




ガチャッ




楠『巧くんっ!!』


巧『おかえり』


楠『ただいまぁっ!』




そう言って抱きついてくる。



ありえないくらい可愛い。

狙ってない所がまた可愛い。




巧『ドラマ、何話まで撮影進んだ?』



楠『4話だよ!』


巧『そういえば、今日からスタートだっけ』


楠『覚えててくれたのっ!?』


巧『あぁ、まあな』


楠『ありがとうーっ』


そういって
抱きつきながら
頭を擦り付けてくる。




楠『もうすぐなんだよー!見よー!』

巧『はいはい』



そういってテレビに電源をいれる。


ベットから座って
テレビを見ている俺の隣に


ひょいひょいよってきて


1人で
テンション上がってる。






楠『あっ始まるよ!』





TV『“極道を貫く、1人の少年は…“ 』


このドラマは
楠木理央演じる極道山本組のひとり息子が
壁に立ち向かいながら組を成長させてく話しだ。




俺には
よく分からんが
普段の女々しい楠木じゃない所がみれるのを楽しみにしていた。




『“おらぁっ!てめぇら…ナメてんじゃねぇぞっ!“』



うん、楠木じゃない。



楠『あのねー。。ここのシーンはスタントマンじゃなかったから、すんごい怖かったー。。』



こんな可愛い事言ってんのに

TVで お前すごいことになってるぞ。




楠『きゃー!怖いよーっ』


などと言って
手で目を隠している。






楠『信じられない…』


巧『はいはい』






ドラマが終わった。



楠『もう2話から見ない…』


巧『は?』


楠『だって怖いもんっ』




俺は はぁーとため息をついた。

巧『ドラマのお前、かっこよかったぞ』



楠『ほんとっ!?』


目をきらきらさせながら
見てくる。


巧『あぁ』


頭をポンポンとなでると


まるで犬が尻尾をふってるかのように
喜んだ。



可愛すぎ。

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