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雨の人

第10章 嫉妬

「ゆき……嫌だったの」


もう一度
ゆきにキスをした



「なにが、嫌だったの?」



「………」



何も言わないゆきに
次は、深く長いキスをした



「ゆき、話してくれる?

こんなに好きなんだ
絶対嫌いにならないから」




「…見ちゃったの

川村さんが、昨日…


綺麗な女の人と
・・くっついてた」




「え?!

綺麗な女の人?」




「お店の…」




「あ!あー…お店の…

あ、あれは何でもないよ!

ごめん、俺、酔っ払ってて
それに、
綺麗なんかじゃないんだ
あの人はお店の…」




「分かってる、分かってるよ
ゆきも、全部分かってるの

分かってるのにね

……嫌なの…

たったそれだけの事で
悲しくなったり

川村さんが寝ちゃって
寂しがったりして…

ゆき…


…わがままなの…」





「ゆき…

ごめん。

昨日はホントにごめんな…

でも…

俺が、他の女の人と

くっついてたのが嫌だとか

寂しいとか…


ゆきのわがまま

俺…



ちょっと、うれしいよ…」







「え?」

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