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雨の人

第3章 告白

「もしもし、川村ですけど…」



「川村さん!ゆきです」



「あ~良かった~。

ゆきちゃん無事?

あれから何も無い?大丈夫?」



「はい、大丈夫です……

今日は、本当に

ありがとうございました。」



「良かった。

ずっと気になってたんだ~。

あと…電話に出てくれて…

ありがとう」



「え?電話?出ますよ?」



「うん…ホントの俺を

ゆきちゃんに見られちゃったから…

嫌われちゃったかなって

気になってたんだ。

仕事中で、ヒドイ恰好だったし…」



「そんな、私、

嫌いになってなんかないです。

そんなこと、言わないでください。

私、電話待ってたんですよ?」



「あ、ありがとう

やっぱり…ゆきちゃんは優しいね」



「そんなことないです

優しいのは、川村さんです」



「ゆきちゃん、ちょっと…

真面目な話してもいいかな…」



「ちょっ、ちょっと

待ってください。

川村さん、私からも

お話しがあるんですけど…

先に話してもイイですか?」



「ん?…うん。

じゃあ…ゆきちゃんから、どうぞ」



「川村さん、ごめんなさい!

私……私、いっぱい川村さんに

嘘ついてました。

もう分かってると思うけど

彼なんかいないし

元彼の話も

友達の話なんかじゃないし……

嘘ばっかりで……許して下さい。

怒ってますよね…私のこと。」



「俺、怒ってなんかないよ?

ゆきちゃんに彼がいないことは

めちゃくちゃうれしいし

友達の話って言いながらも

俺に相談してくれた事

すごくうれしかったんだ。

全然、怒ってなんかないよ。」



「ホント?ホントに?」



「ホントに(笑)」



「川村さん…ありがとう」



「いいよ、もう気にしないで。

僕は本当に気にしてないんだから。

さて……次は俺の話…

聞いてくれるかな?」



「あ、はい。」



「……」




「川村さん?」



「うん……あの~、あのね」



「はい」



「ゆきちゃん?」



「はい」








「僕と…

僕と、付き合って下さい……

お願いします!」


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