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雨の人

第3章 告白

『ゆきちゃん、もう大丈夫?

落ち着いた?

俺…ゆきちゃんを

家まで送って行きたいんだけど

実は、昼休みに

仕事をぬけて来てるんだ。

だから、あんまり時間なくて…

すぐ仕事に戻らなきゃ

いけないんだ…』




『そうだったんですか!

本当にすみませんでした。

お仕事なのにわざわざ…

川村さん、

ありがとうございました』



と言って頭を下げた



『いや、俺が勝手にやった事だから

ゆきちゃんは謝らなくていいんだよ

どう?落ち着いた?』



『はい…大丈夫です』



『良かった。

じゃあ…ゆきちゃん

自分の車に乗ってすぐに帰って。

ゆきちゃんの車が出るの見たら

俺、仕事に戻るから。いい?』



『あ、はい。わかりました』



『気をつけて帰って

夜に電話するから、

それまで…家から出ないでくれる?

俺、心配なんだ…』



『はい。私も…

怖いので、そうします。

あの…電話…待ってます』



『うん、気をつけてね。

大丈夫、アイツの車が

追ってかないように、

ちゃんと見てるから。』



川村さんはそう言って

私を車に乗せ、手をふった。

優しい笑顔で。

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