雨の人
第4章 本当の出会い
あまり前を見ないで
歩いていた俺は、
ゆきちゃんと駐車場で
ぶつかってしまったんだ。
その日は、
雨の中仕事をしていたせいで
作業着はドロドロだった。
ゆきちゃんにぶつかって
ゆきちゃんのキレイな服を
一瞬にして汚してしまった俺は
急いで謝った。
でもゆきちゃんは、笑顔で
『気にしないで下さい、
大丈夫ですから』と
俺が落としてしまった
おにぎりまで拾ってくれたんだ。
謝る俺に、ゆきちゃんは
『私の方こそごめんなさい、
大丈夫ですか?』
とも言ってくれた。
「ぶつかったあと
ゆきちゃんが
車に乗って帰るのを目撃して
俺…
運命感じちゃったんだ。
だってさ、俺が気にかけてた
ブルーの車の女の子に
ぶつかるなんて…
しかも、その子が
とっても優しい子だったなんて
一気に
ゆきちゃんを…
大好きになっちゃったんだ」
「川村さん、声…大きいです」
「(笑) ごめん、ごめん。
それから、ゆきちゃんに
電話したんだよ
運命信じて。」
「……」
「だから、
雨が好きなんだ。
あの日
雨降らなかったら
俺はきっと、
ゆきちゃんに電話してない。
ってことは、
今日もデートしてない。
ね?」
「そうですね。」
「俺の話は
これでおしまいです。」
「はい
ありがとうございました。
あの…」
「なに?ゆきちゃん」
「私も…きっと…
雨が好きになります。」
歩いていた俺は、
ゆきちゃんと駐車場で
ぶつかってしまったんだ。
その日は、
雨の中仕事をしていたせいで
作業着はドロドロだった。
ゆきちゃんにぶつかって
ゆきちゃんのキレイな服を
一瞬にして汚してしまった俺は
急いで謝った。
でもゆきちゃんは、笑顔で
『気にしないで下さい、
大丈夫ですから』と
俺が落としてしまった
おにぎりまで拾ってくれたんだ。
謝る俺に、ゆきちゃんは
『私の方こそごめんなさい、
大丈夫ですか?』
とも言ってくれた。
「ぶつかったあと
ゆきちゃんが
車に乗って帰るのを目撃して
俺…
運命感じちゃったんだ。
だってさ、俺が気にかけてた
ブルーの車の女の子に
ぶつかるなんて…
しかも、その子が
とっても優しい子だったなんて
一気に
ゆきちゃんを…
大好きになっちゃったんだ」
「川村さん、声…大きいです」
「(笑) ごめん、ごめん。
それから、ゆきちゃんに
電話したんだよ
運命信じて。」
「……」
「だから、
雨が好きなんだ。
あの日
雨降らなかったら
俺はきっと、
ゆきちゃんに電話してない。
ってことは、
今日もデートしてない。
ね?」
「そうですね。」
「俺の話は
これでおしまいです。」
「はい
ありがとうございました。
あの…」
「なに?ゆきちゃん」
「私も…きっと…
雨が好きになります。」