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雨の人

第5章 触れるようなキス

ゆきって


俺はずっと呼びたかったんだ





年上なのに

年下のような

俺の彼女は

俺の事を

ずっと 川村さんって

呼ぶ



嫌なわけじゃない



川村さんって

甘える ゆきが

俺は大好きだ



ちょっと・・・・

年上になった気分で

うれしいんだ




でもさ

もうちょっと

恋人同士なんだから

特別な呼び方

されたい



だから

今日、お願いしてしまった



いや

俺がとにかく

呼びたかったんだ



ゆき って



恥ずかしがり屋で

照れ屋なゆきは

あきひろくんって

一度呼んでくれたけど

そのあと

俺の腕の中で

黙りこくってしまった



かわいいな ゆき



ゆきが黙っているから



何もしゃべらないから





俺は また

かわいい彼女に

キスをした




軽い触れるようなキスを

一度したあと




濡れた俺の唇で

ゆきの口紅をすくい取るように

キスをした




したかったんだ・・・・


ずっと


したかったんだ


キス








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