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雨の人

第8章 ゆきの浴衣

そんなある日

ゆきと居酒屋にて・・・





「ゆき

一緒に出かけるの
久しぶりだね」



「うん、あきひろくん

忙しかったもんね。」




「寂しかった?」




「ううん、大丈夫だよ。

仕事だもん、仕方ないし・・

でも…」



そう言って

ゆきは少し下を向き

小さな声で

「寂しかった…」

と、つぶやいた




「よかった~。

さみしくないなんて
言われたら

どうしようかと思ったよ。

仕事ばっかりでごめんな、ゆき」




ゆきは、小さく顔を横にふり

ニコっと笑ってみせた




「俺さ

もうちょっとしたら
仕事少し楽になるんだ。

それでさ、ゆき…」




「なに?」




「旅行…行かないか?

二人で…」




ゆきの様子を伺うと

ゆきの顔が
ぱ~っと明るくなり



「うん、行く!

ゆき、旅行行きたいっ」


と言って

隣に座ってる
俺の腕を握った



「よし!決まり!

じゃ、行こうな、旅行。

楽しみだな~~~」




「うん、楽しみ

はやく行きた~い」



そう言って

ゆきは無邪気に笑う。




そんなゆきが
可愛くてたまらない。

小さくして

持ち歩きたいくらいだ。



あ~、やっぱり

家でごはん
食べればよかったかな

ゆきがティッシュで
唇を拭いてる

そんなの、家だったら
俺が拭ってあげるのに…




それから

ゆきと旅行の話で盛り上がり

行き先は

近場の温泉旅行に決定した



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