雨の人
第8章 ゆきの浴衣
そして
旅行の日がやって来た
旅館への往復は
俺の車で移動
もちろん、俺の運転だ
世の中の人達も連休で
車の量はかなり多い
ゆきは助手席で俺の顔を
チラチラと見ている
昨日遅くまで
仕事をしていた俺が
眠くならないか
心配しているみたいだ
「あきひろくん、眠くない?
大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「運転
いつでも代わるから
眠くなったり
疲れたりしたらいってね」
「ありがと、でも、大丈夫だよ」
そうは言ったものの
多少疲れがたまっていた。
早く旅館に着きたいのに
しばらくすると
高速で渋滞にはまってしまい
俺は少しイライラしはじめた。
「あ~渋滞か…
旅館につくの
遅くなりそうだな…
あ~…」
「あきひろくん、渋滞嫌い?」
「え?
あんまり
好きじゃないな~」
「あきひろくん
渋滞もね
私は
あきひろくんと居るから
たのしいよ」
そう言って
ゆきは俺の左手を握り
「こんなことも、できるよ」
と笑った。
ゆき…
なんて、いい子なんだ。
俺にはもったいない。
何やってんだ、俺…
「そうだね
ゆき、ありがと。
ゆきと一緒に居られるんだから
渋滞でもなんでもいいよな?
優しいな、ゆきは」
「そんなことないよ。
ゆき、川村さんと…
手をつなぎたかっただけだから」
俺は
ゆきの右頬に
軽いキスをした。
ゆきは、少し照れて笑った。
俺の顔を見ないままで。
やっぱり
早く旅館に着いて
二人きりになりたいな…
と、俺は思った
旅行の日がやって来た
旅館への往復は
俺の車で移動
もちろん、俺の運転だ
世の中の人達も連休で
車の量はかなり多い
ゆきは助手席で俺の顔を
チラチラと見ている
昨日遅くまで
仕事をしていた俺が
眠くならないか
心配しているみたいだ
「あきひろくん、眠くない?
大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「運転
いつでも代わるから
眠くなったり
疲れたりしたらいってね」
「ありがと、でも、大丈夫だよ」
そうは言ったものの
多少疲れがたまっていた。
早く旅館に着きたいのに
しばらくすると
高速で渋滞にはまってしまい
俺は少しイライラしはじめた。
「あ~渋滞か…
旅館につくの
遅くなりそうだな…
あ~…」
「あきひろくん、渋滞嫌い?」
「え?
あんまり
好きじゃないな~」
「あきひろくん
渋滞もね
私は
あきひろくんと居るから
たのしいよ」
そう言って
ゆきは俺の左手を握り
「こんなことも、できるよ」
と笑った。
ゆき…
なんて、いい子なんだ。
俺にはもったいない。
何やってんだ、俺…
「そうだね
ゆき、ありがと。
ゆきと一緒に居られるんだから
渋滞でもなんでもいいよな?
優しいな、ゆきは」
「そんなことないよ。
ゆき、川村さんと…
手をつなぎたかっただけだから」
俺は
ゆきの右頬に
軽いキスをした。
ゆきは、少し照れて笑った。
俺の顔を見ないままで。
やっぱり
早く旅館に着いて
二人きりになりたいな…
と、俺は思った