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雨の人

第8章 ゆきの浴衣

それからしばらく

ゆきは

俺としゃべってくれなかった



でも

帰りの廊下で

ぎゅっと手を握ったら



ぎゅっぎゅって

ゆきは2回手を握り返し

ニコッと笑って

俺をチラッと見た




わぁ~もう

抱きしめたいっ!!



部屋を出る前に

抱きしめなかったことを

後悔して

俺は奥歯をかんだ




楽しかった温泉旅行も

もう終わり



俺は、

アイツに勝ったような気分がして

たまらなかった




元々、負けてなんかいないけどさ



ゆきは、俺のもんなんだけどさ






帰りの車

助手席に座ったゆきは


「疲れたら言ってね。

ゆき、運転かわるから」


と言って

缶コーヒーとココアを

並べてホルダーに入れた




少し走ったところで

ゆきが

俺に話しかけてきた





「あきひろくん……」






「ん?なに?」






「渋滞したら

また…



手、つないでもいい?」




って。




ゆきは、照れ隠しなのか

覚めてしまったココアを

手に握った




俺は

その右手を

ココアから奪い



「渋滞しなくても

つないでいいんだ」



と、ゆきの手を握った





あ~

帰りたくねーな~





ゆき



ずっとずっとず~っと

一緒にいような


ゆき



愛してるよ






















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読んでください(^^)




では

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