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雨の人

第1章 突然の電話

「いや、いいんだ。

気にしないで。


あ、そうだ
敬語の件はあきらめます。


そのかわり…




ゆきさんじゃなくて・・

ゆきちゃんって
呼んでもいい?



ダメ?」







「クスッ(笑)


いいですよ

じゃあ


ゆきちゃんで
お願いします」







「やった~!

ありがとうゆきちゃん!

今日話できて良かった~。

ホント、ありがとう!」





たったそれだけの事で

大喜びの川村さん



こんな人が

彼だったら

幸せなのかな…



私の元彼とは
大違いだと思った




その日は
それからしばらく話をして
電話を切った。





知らない人なのに

前からの知り合いのように

なんだか落ち着く人。




川村さんは、

私の携帯番号を教えて

とは言わない。



会いたいとも言わない。



架空の彼と
別れて欲しいとか
私とやっぱり付き合いたい
とかも言わない。





なんなんだろ……。





そんなある日




見覚えのある番号から
私の携帯電話に
電話がかかってきた



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