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会議室から恋。

第3章 3

「あんさー。朝言ってた資料なんやけどさー。あれ、無しでいいや」

「へ??」

「んー。なんか、もう使わんなってん」

「ええ?!ほとんどできてますけど?!」

できてないけど…。

「かわりに、一緒に会議出てくれへん?」

「いやいや。あたし、会議に一番必要ない人間ですけど…」

「いやー。ちょっと、海外支社とテレビ会議やねんけど、オレ、英語わからんし」

「…で…?」

「通訳」

「…」

「15時半からやから。第3会議室な」

それだけ言うと、電話は切られる。


いつも思うんだけど、超勝手な人。

あたしの意見も無視。

だから、みんなに黒田様なんて言われんのよ。

タメ息まじりで、事務所を出る。

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