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会議室から恋。

第15章 3 坂下健人

杉山さんに、お茶だけでも、と言われた。

杉山さんの家に着き、帰ろうと、車の窓を開け、挨拶するところだった。

窓の外から、手が伸びて、オレの腕を掴む。

ここで家に入ったら何をするか、自分でも分からない。

この人を、大切にしたい。

だから、すぐに手を出したくなかったのに。

どうしても家に入れたいらしい。

ため息をつきながら、彼女の手を離し、車をパーキングに入れる。

間違いをおこさないよう、ごはんだけ、一緒に食べようと思い、コンビニの袋を持って車をおりる。

少し歩くと、杉山さんが立ち尽くしてるのが見える。

悲しい顔をしていた。

オレの顔を見ると、すぐに首に絡み付いた。

呆れて帰ったと思った、と。

そんなわけない。

そんな、かわいいあなたを見て、自分を抑える自信がないだけなのに。


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