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会議室から恋。

第6章 6

「アメリカには、五年前に。入社してすぐ。黒田さんに飛ばされて…」

「…あぁ…。黒田様なら、やりかねんね」

「その時から、杉山さんのことは知ってて。素敵な人だな、と思ってた」

「…。あたしは、知らんかった…」

「うん。いちいち、新人の顔なんて、見てないでしょ?」

クスクス笑う声が、電話の向こうから聞こえてくる。

「…なんであたし?」

「…一目惚れするのに、理由は必要?」

たしかに。

うーん。

たしかに、理由なんていらないけど。

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