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会議室から恋。

第8章 8

「会議室、行こっか?黒田さん待ってるよ」

そう言うと、右手を差し出した。

思わずそれをとろうとしたけど、ここが会社だってことを思い出した。

やっぱり、アメリカに五年もいたら、さりげなくこういうこと、できるようになるのかな?

坂下さんの手をみつめていると、すみません、と手を引っ込めた。

「ふふ。ここは、日本ですから」

「そうでした。杉山さんは、すごく小さいんだね」

「坂下さんこそ…。そういえば、眼鏡してないんやね?」

「あぁ。会議のときくらいしか、かけないかな」

「…誰か分からんかった」

「はは。そっか」

「こら!はよ来んか!」

会議室から黒田様が顔を出し、叫んでる。

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