チョコレート
第9章 specialday
一緒に帰れないくせに
涼くんには手出すなとか
なんなの
その後の授業は
色々考え過ぎて
集中出来なかった
放課後
約束した通り
涼くんと帰るため
私は学校の玄関で待っていた
急にトントンと誰かに
肩をたたかれた
振り向くと私のほっぺに
人差し指がささった
「…あ、涼くん」
「引っ掛かった~」
「もう」
「あははっ、帰ろっか」
「うん」
私たちは学校を出て
家に向かって歩き始めた
「彩ちゃん」
「何?」
「元気ないな」
「そんなことないよ」
「顔が沈んでるで」