チョコレート
第12章 海
「ケチ」
ケチて…
陸子供みたいなとこあるよね
と思っていると
頭にポッっという感覚がした
「え、雨?」
「降ってるか?」
確かめるように
手のひらを空に向けた
雨が手に落ちる
「降ってるね、どうする?」
空は少し曇っている
「店に戻って休憩でもするか。すぐやみそうだし」
「そうだね」
私と陸はお店に戻った
優衣と祐樹くんと涼くんは
まだ遊ぶらしい
私はパーカーを羽織り
棒アイスを食べる陸の
横に座った
「ちょっと頂戴」
「ん」
「ありがとう」
こっちに向けられた
アイスを一口もらい
海の方を見た
「やむかなぁ…」
「小降りだし、やむだろ」
「だといいけど」