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チョコレート

第14章 花火



「始まったな、行くぞ」



そう言って陸は私の
手を引っ張り
早歩きで進んで行く



着いたのは
人気が少ないところ

でもちゃんと花火が見える





「穴場」



「すごい!」



「親父に教えてもらった」



「そうなんだー」




私たちは夜空に上がる
花火を見上げる




「綺麗…」




しばらく見てると
首が痛くなってきた




「彩」



「んー?」


顔を陸に向ける




「はい」


そう言って
出された手を見ると
おもちゃっぽい
ハートのキラキラのケースがあった




受け取りフタを開けると
真ん中にピンクの宝石がついた
おもちゃの指輪



「わっ、可愛いー。これさっきの?」



「そう」



「ありがとう」





「予約だから」




「よやく…?」




「本物の指輪の予約」




「…」


カァっと顔が熱くなる




いかにもおもちゃって
感じだけど嬉しすぎる


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