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緑の縁

第1章 初めて。

ウサギのぬいぐるみをぎゅっと
抱えた私が庭でお会いしたのは、

憮然とした顔でシェパードを従える、
ご主人様でした。

「おい、お前。」

齢10の少年とは思えない、
私を蔑む声に
私はすぐ傍にいた

優しい顔つきの庭師の後ろに
隠れてしまいました。

「何で、泣いてるんだ。」

庭師の服にしがみ付きながら
顔を少しだけ覗かせる私の瞳を
険しく睨み返しながら

ご主人様はそうおっしゃいました。

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