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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「雨も止んだことだし、早く戻ろう」
 言いながら外に出た王は一瞬、眩しげに陽の光に手をかざし、振り向いて藍那を見て、いっそう眼を細めた。
「それにしても、お互いに酷い格好だ。私はともかく、真戸那のなりを見れば、一体、私たちの間に何があったのかと痛くもない腹を勘ぐられることになろう」
 王は笑うと、藍那の纏っていた打ち掛けをそっと着せかけた。

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