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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第4章 Forever~永遠~

 その先は女官長は言わなかったが、結婚後半年を経てもいまだに王と王妃が寝所を共にしていないことを指しているのは明らかであった。
 主従がそんなやりとりを交わしたその日の夕刻、王が五日ぶりに意識を取り戻した。一時は危篤かといわれていただけに、重臣たちを初め王宮の者たちの顔には皆、一様に安堵の表情が浮かんでいた。

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