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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第4章 Forever~永遠~

 そう、ここ(墓所)には彼はいない。彼はあの言葉どおり、海へと還っていったのだ。だから、海に行かなければならない、彼に逢うために。
 藍那はその一心で海辺まで来た。
 身の側を海風が吹き抜けてゆく。南国とはいえ、季節はもう秋。吹く風も彼が亡くなった夏とは違う。

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