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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第5章 The king who disappeared~消えた国王

 The king who disappeared~消えた国王~

 海中へと飲み込まれた途端、水が藍那向かって押し寄せてくる。海水が鼻や口を塞ぎ、呼吸ができなくなった。まるで自分の周囲の空間がねじれ、歪んでしまったようで、物凄い圧力に身体が押し潰されそうだ。
 固く瞑った瞼の裏で白い光が閃く。この感覚はどこかで経験したような気がするのだけれど、どうしても思い出せない。
 でも、これはすべて自分の選んだ道なのだ。藍那は少しの間、苦悶にもがいたが、やがて、気を失った。

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