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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第5章 The king who disappeared~消えた国王


 机の片隅に置いた携帯からメールの着信音が鳴った。どうやら、その音が藍那を現実に引き戻してくれたようだ。
―早く返ってきなさい。今日は仕事が早く終わったし、藍那の好きなシチューを作って待ってるから。それに、明日は少し早めに藍那の十八歳のバースデープレゼント買いにいく約束だったでしょう。

 メールは母からだった。

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