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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第1章 Mysterious morment~不思議な力に誘われて~

―転んじゃう。
 そう思っても遅い。藍那の小柄な身体がつんのめり、身体を強く床に打ちつけるしかないと覚悟を決めた寸前、その代わりに彼女は突如として生温い水の中に放り込まれたような感覚を覚えた。
 く、苦しいっ。呼吸ができない。藍那は酸欠の金魚のように咽を押さえ、口をぱくぱくさせた。目眩はますます烈しくなってきて、固く瞑った瞼の裏でチカチカと白い光が瞬いている。

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