テキストサイズ

最後のキス~琉球の海を渡る風~

第2章 Fall in love~恋に落ちて~

「私は」
 言いかけた藍那を男が痛ましげに見つめる。
「可哀想に、連日の看病疲れで混乱しているのだな」
 どうやら、相手は藍那が一時的なパニック状態に陥っていると都合良く勘違いしているらしい。なので、藍那は慎重に言葉を選びながら訊ねた。
「あの―、ここは何時代ですか? っていうか、まさかタイムスリップなんてあるわけないし、ここは何かの時代劇ドラマのロケ現場とか?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ