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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第2章 Fall in love~恋に落ちて~

 藍那は内心の愕きを懸命に抑えた。頼りになるのは今はこの男だけだし、引き出せる情報は少しでも多く引き出した方が良い。そう思っていたのだが。
 男が口にしたのは更に藍那を追いつめるものだった。
「そなたと私は半年前、婚儀を挙げたばかりではないか。そなたはこの琉球国王の妻、王妃にして国の母ぞ。しっかりと気を持つのだ」
 最早、限界だった。藍那の意識はそこでプツリと切れた。

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