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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第2章 Fall in love~恋に落ちて~

「真戸那っ? 真戸那」
 男の狼狽した叫びが聞こえてくる。藍那は薄れゆく意識の底で考えていた。
 こんなことがあるはずがないもの。きっと目覚めたら、全部、夢だったと気づくはずよ。
 その一方で、黒い瞳をした、どこか淋しげなあの若い男には二度と逢えないのが物足りないような気がしていた。 

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