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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第2章 Fall in love~恋に落ちて~

 また、それとは別に、あの淋しげな若い王のために何か自分ができることがあるのなら、してあげたいとも思う藍那だった。
 ガジュマルの木は樹齢も相当なのだろうか。夕陽を浴びて立つその様は年を経て思索に耽る穏やかな老人のようだ。風格すら感じさせる南国の巨木は夕陽の色にすっぽりと包まれ、あたかも樹全体が黄金色に輝いているようにも見える。
 

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