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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 必ず危険が及ぶようなことはしないこと、変わったことがあれば、すぐに王宮に知らせることをくどいほど約束し、女官長は何とか二人が王宮を出られるように取り計らってくれた。
 市には様々な露店が並び、人が溢れ、活気に満ちている。はるかな昔、失われた歴史の中で、この琉球という国が栄えていたことをこの眼で見るのは何ともいえない気持ちになった。人の生きた証を間近に見ることは、かくも敬虔な心持ちになるものなのだろうか。

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