僕は子供じゃないっ
第4章 育て猫
一護はなるべく聞かないようにしてくれていて、パソコンを始めた。
そのお陰で、パパと安心して話すことができた。
怖い人に何をされたとか怪我はないかとかどうやって逃げたかとか一護とはどうして知り合ったかとか彼はどんな人かとか。
パパは他にも沢山質問をしてきて、困ったから僕は結局英語で全部を説明した。
僕が話せば話すほどパパは泣きじゃくっていた。
きっとそんなパパを見かねたんだろう。
話が終わるとママに代わってしまった。
『柴輝…心配してたのよ?』
「うん…ごめん。」
『謝ることじゃないわ。とにかく、助かって良かった…。頑張ったわね。』
「僕…頑張った。…アメリカ帰りたい…パパママ会いたい…だから。」
『そう、そうね…。でも色々あって、迎えに行くのは来週なのよ…ごめんね。』
ママの声は苦しそうだった。
僕のこと大事にしてくれてるの知ってるから、1週間くらい待てる。
ママにそう伝えると、偉いねって褒めてくれた。
毎日連絡する約束をして、電話を切った。
ママとパパの声が聞けただけでも、元気が沸き上がってくる気がした。