この前、人を拾いました
第104章 ⑩—4 新婚さんはもう倦怠期?
あれは喧嘩と呼ぶのだろうか……
レイの頰と叩いた手の感触はいつでも思い出せる。
心無しか悲しそうな眼差しをしたけれど、そんなことに動揺なんてしなかった。
「まだ、話してないの?」
「だって…話すことありませんもん」
うーん、といって、返事に困っている百合子先輩。
だってもう話せることはないってくらいには話した。
いつも会話不足で、私が誤解して、しっちゃかめっちゃかになる事がほとんどだけど、今回ばかりはそうではない。
はっきりとお互いの見解と未来が違うから、
だから、解決策が見つからない。