この前、人を拾いました
第104章 ⑩—4 新婚さんはもう倦怠期?
「意外だなぁ……
でも、子どもにみきちゃん取られるとかいう幼稚な理由なら、その後もヘラヘラしそうなもんだけどね」
レイくんなら、尚更──…
と百合子先輩は言葉を付け加える。
私もそう思っていたけれど
でも、レイは私を見ても、触れてこないどころか、話し掛けて来さえしない。
黙々と、私がご飯を作って、黙々とご飯を食べて、そして、レイが黙々とお皿を洗って、そして、黙々と二人で寝支度をして、そのまま朝を迎えるのだ。
はっきりいって、こんな生活気味が悪い。
「レイくんて
黙るってこと、出来るのね」
「…そうなんですよ…!
黙られると困るときしか黙らないんですっ!! 結局あの人は、私を困らせてばっかりで──」
「でもそれは重々承知で結婚したわけでしょ…?」
「っ……まぁ…そうですけど…」
それでもいいって思えたけど…
やっぱり夫婦って難しい。
永遠あの人と一緒にいることを約束したんだ、って考えると、今さらだけど随分自分も大きな賭けに出たもんだなぁ…と思う。
もう帰ろう…
机の上に散らばったものをカバンの中に突っ込んだ時、何の気なしにスマホを見ると、着信が入っていて、私は目を見開いた。